「有給休暇を使いたいけれど、誰にどう言えばいいのかわからない」と悩む従業員の方は少なくありません。
また、会社側も申請ルールが曖昧だと、直前の欠勤連絡に振り回されるリスクがあります。
今回は、労働者が有給休暇を取るための「最初の一歩」を、具体的なアクションに落とし込んで解説します。
疑問:休みがほしい時、具体的に何をすればいい?
初めて有給を使おうとする従業員や、転職したばかりの方は、以下のような手順に戸惑いを感じがちです。
- まずは口頭で上司に相談するべき?
- 決まった書類(申請書)を書かないといけない?
- メールやチャット、LINEでの報告でもいいの?
- 何日前までに言わないと失礼にあたる?
こうした「作法」がわからないために、権利があるのに遠慮してしまうケースが多く見られます。
結論:会社の「就業規則」で決まった方法で伝えるのが正解です
結論から申し上げます。
有給休暇を申請する具体的なやり方は、法律ではなく各会社の「就業規則」で決められています。まずは社内のルールを確認し、指定された期限までに、指定されたルート(上司や書面)で伝えるのが正解です。
法律上は「休みます」と伝えるだけで成立するのが原則ですが、円滑に業務を回すためには、会社が定めた「申請の手順」を守ることが求められます。
根拠:会社には「業務を調整する時間」が必要だから
なぜ「勝手に休む」のではなく、会社のルールに従う必要があるのでしょうか。
労働基準法では、労働者に「好きな時に休む権利(時季指定権)」を認めています。
一方で、会社には「その日に休まれるとどうしても事業が回らない」という場合に限り、別の日にずらしてもらうようお願いできる「時季変更権」が認められています。
会社側が「この日は無理だからずらしてほしい」と判断したり、代わりに働く人を手配したりするためには、ある程度の猶予が必要です。そのため、就業規則で「3日前までに申請すること」といった期限を定めることは、実務上も有効とされています。

実務ではどうするか:有給取得までの具体的ステップ
従業員がスムーズに休みを取るための、一般的な現場の流れは以下の通りです。
1. 申請期限と「誰に言うか」を確認する
まずは自社のルールを調べます。不明な場合は、総務担当者や直属の上司に「有給の申請はどうすればいいですか?」と確認しましょう。
- 確認ポイント: 「3日前まで」「前週まで」などの期限はあるか。
- 報告先: 直属の上司(課長など)か、人事総務部か。
2. 指定のツールで「いつ休むか」を出す
会社によって申請の道具は異なります。
- 紙の申請書: 「有給休暇届」などの書類を記入して提出。
- 勤怠システム: PCやスマホからシステム上で申請ボタンを押す。
- チャット・メール: 上司に「〇月〇日に有給をいただきます」とメッセージを送る。
3. 周囲への「お休み連絡」
申請が通ったら、同じチームのメンバーに「〇日は休みます」と一言伝えておきます。自分がいない間に困りそうなことがあれば、簡単なメモを残しておくのが実務上のマナーです。
よくある勘違い・注意点
上司の「許可」はいらないが「報告」は必須
「上司が許可してくれないから休めない」と考える方がいますが、有給は本来「許可制」ではありません。時季指定権を行使すれば休めますが、無断欠勤にならないよう「報告」という形での申請手続きは必ず踏む必要があります。
当日の「体調不良による有給」は会社のルール次第
有給は「事前に申請する」のが法律上の原則です。当日の朝に「風邪を引いたので有給にしてください」というお願いを会社が受け入れるかどうかは、福利厚生の一環(事後申請の容認)であり、義務ではありません。

理由は「私用のため」で問題ない
「なぜ休むのか?」としつこく聞かれるのを嫌がる人もいますが、理由は「私用」で十分です。詳細を話す必要はなく、理由によって会社が申請を却下することもできません。
まとめ
- 有給申請の方法は、自社の「就業規則」に書かれている。
- 法律上は自由だが、実務では「期限」と「申請ルート」を守るのが基本。
- 「紙・システム・チャット」など、会社指定の道具を使って申請する。
- 理由は「私用」でよく、上司の機嫌や許可に左右されるものではない。

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