「良い人材を採用しても、すぐに辞めてしまう…」
「物価高に合わせて賃上げをしたいが、ただ給料を上げるだけではもったいない」
そんな経営者・人事担当者の方におすすめなのが、人材確保等支援助成金(諸手当等制度)です。この助成金は、単なる資金援助ではなく、「社員が長く働きたくなる仕組み」を作った企業を後押しする制度です。
目次
この助成金の「本当の目的」とは?
一言でいうと、「働き続けやすい職場を制度面から整え、離職率を下げた会社を支援する」ものです。
単なる一時的な手当の支給ではなく、以下の3点を実現することが求められます。
- 役割や能力に応じた適正な処遇
- 将来のキャリアが見える賃金体系
- 不公平感のないルールの明文化
受給のための「3つのステップ」
何をすれば受給できるのか? 結論は非常にシンプルです。
- 新しい手当を作る(または既存の仕組みを抜本的に改定する)
- 就業規則(賃金規程)にルールを明文化する
- 実際に運用し、離職率を維持・改善させる
「事前に計画を出し、実行し、結果を確認する」という後払い方式の助成金です。
スケジュール感(※ここが一番重要です!)
助成金は「思い立ってすぐもらえる」ものではありません。入金までは約1年半前後を見込む必要があります。
- ステップ①:制度設計どんな手当を作るか、対象者や金額を決めます。
- ステップ②:計画認定申請【重要】制度を開始する6か月前〜1か月前までに労働局へ申請します。
※この時点で支給を始めてしまっていると対象外になります! - ステップ③:制度導入・実施就業規則を改定し、実際に手当の支給を開始します。
- ステップ④:評価期間(12か月)1年間運用し、離職率をチェックします。
- ステップ⑤:支給申請実績を報告し、審査を経てようやく受給となります。
どんな手当が対象になる?
「業務内容・役割・能力・責任」に紐づいた手当が対象になりやすいのが特徴です。
| 対象になりやすい手当 | 注意が必要な手当(対象外リスク高) |
| 役職手当・資格手当 | 正社員手当・常勤手当(身分によるもの) |
| 家族手当・住居手当 | 全員一律で支給される手当 |
| 多能工手当・育成担当手当 | 単なる物価高騰対策手当 |
| 緊急対応・オンコール手当 | 通勤手当の上乗せ |
ポイント: 「ただ資格を増やしただけ」や「対象者を広げただけ」では認められないケースが多いです。制度の目的から見直す「改定」が必要です。
失敗しないための「5つの鉄則」
せっかくの取り組みを無駄にしないために、以下の点には特にご注意ください。
- 「あと出し」厳禁: 必ず導入前に計画申請が必要です。
- 賃金ダウンはNG: 基本給を削って手当に充てるような設計は認められません。
- 一律支給はNG: 誰にでも配るお金は「制度」とみなされません。
- 3年ルール: 一度受給すると、同じ制度では3年間再申請できません。
- 創業間もない会社は「離職1人」が命取り: 評価期間中に1人でも辞めると不支給になるケースがあるため、慎重な運用が必要です。
まとめ
この助成金は、「手当の名前」よりも「中身の設計」と「定着という結果」が重視されます。
「うちの会社でも対象になる手当はあるかな?」「離職率の計算が不安……」という方は、ぜひ一度専門家へご相談ください。
会社に良い仕組みを残しつつ、助成金でそのコストをカバーしましょう!
あわせて読みたい


有給休暇とは?【結論:法律で定められた労働者の「絶対的な権利」】
よくある疑問 有給休暇って、そもそも何のためにある制度? 会社のルール(就業規則)で「うちは有休なし」と決めることはできる? 休んでいるのに給料が出るなんて、会…
あわせて読みたい


どこからが仕事?「労働時間」の定義を正しく知ってトラブルを防ぐ
現場の疑問 始業前の掃除や朝礼は「労働時間」になるの? 制服に着替える時間は仕事に含まれる? 休憩中に電話番を頼まれたら、その時間はどう扱うべき? 「労働時間」…
コメント