❓ よくある疑問
• 有給が余っているけど、お金で精算していい?
• 使わないまま消えるくらいなら、買い取ってあげたい
• 退職する人の有給はどう扱うのが正解?
実務でもかなり多い質問です。
結論からシンプルにまとめます。
結論:有休買い取りは法律で「原則禁止」!認められるのは退職時の調整のみ
有給休暇の買い取りは、原則として認められていません。
ただし、「退職日までにどうしても使い切れなかった残日数」に限っては、例外的に金銭で精算(買い取り)しても差し支えないとされています。あくまで「退職によって取得する権利が消滅してしまうから」という、やむを得ない事情がある場合のみの例外措置です。
なぜお金で解決してはいけない?労働基準法が「休暇の取得」を優先する理由
有給休暇は、
「お金を払う制度」ではなく
労働者を実際に休ませるための制度です。
そのため、
• 忙しいから買い取る
• 消えそうだから現金で払う
といった運用を認めてしまうと、「お金を払えば休ませなくてよい」という考えが蔓延し、労働者の心身の健康を守るという本来の目的(リフレッシュ)が果たせなくなります。そのため、法律では「取得(実際に休むこと)」を何よりも優先しており、買い取りによって休む権利を奪うことを固く禁じています。
一方で、退職時は
• もう出勤しない
• 有給を取得する機会がない
という事情があるため、
未消化分を金銭で精算することは実務上認められています。
現場での判断:退職時に残った有休を「買い取る」際の正しい手順とルール
「良かれと思って」の判断が、法的にNGになるケースが多いため注意が必要です。
⭕ 認められるケース(例外)
- 退職時における未消化分の精算
退職により、有給を取得する機会が物理的になくなるため、残った分を金銭で清算することは実務上認められています。
❌ 認められないケース(原則NG)
法定を上回る日数の買い取り(※例外あり)
会社が独自に付与している「法定以上の日数」については、会社のルールで買い取ることが可能ですが、運用が複雑になるため推奨されません。
在職中の有給買い取り
「本人が休みより金が欲しいと言っている」場合でも、休ませる義務は消えません。
時効(2年)で消える有給の買い取り
「消えてしまうのはかわいそうだから」という理由であっても、消滅分をあらかじめ買い取ることは、取得の抑制に繋がるためNGです。
「本人が希望してもダメ?」買い取り予約が引き起こす法的なリスクとは
ここが最も重要なポイントです。「合意があればいい」という理屈は通用しません。
「買い取り予約」はもっとも危険
年度の始めなどに「休まなければ買い取ってあげるよ」と予約をさせるのは、もっとも悪質とみなされます。これは「休むな」と圧力をかけているのと同義だからです。
「本人が希望している」からNG
たとえ本人の希望であっても、会社が買い取ることで「休む機会」を失わせている事実は変わりません。監督署の調査が入れば「有休を与えていない」と判断されるリスクがあります。
「就業規則に書けばOK」はNG
「有休○日までは買い取ることができる」という規定を設けること自体が、労働基準法違反(無効)とみなされます。
【まとめ】有休は「使い切る」のが大原則。退職時の例外対応は慎重に行う
有給買い取りは「原則NG」。お金を払っても「休ませたこと」にはならない
唯一の例外は「退職時の未消化分のみ」。これ以外は指導対象になるリスクがある
買い取った日数を「5日取得義務」に充てることはできない。必ず「実際に」休ませる必要がある
基本対応は「計画的な取得」。買い取りに頼らない職場環境づくりが社労士としての正解
労務の結論メモ: 有給休暇の原則は、あくまで「休ませること」。退職時のやむを得ない精算を除き、安易な買い取り制度を作るのは避けるのが賢明です。特に「5日義務化」との兼ね合いには十分に注意しましょう。




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